この記事は以下の続きです。未読の方は先にこっちを読んでね。
「もう少し書類を作ってから帰るわ。また資料は送っておく。次は1か月後にここでまた会いましょう。組織の脱退は急がなくていいわ。ゆっくり、慎重に自分の安全を最大限に考慮して行動しなさい」
「わかっています。お時間はいただくと思いますが、準備が整うまでお待ちください。」
「わかってる。何かあったらいつでも連絡してきなさい。ただし、例のメッセンジャーを必ず使ってね。自宅や車からは絶対に連絡は…」
「わかっています。この組織に数年いて、組織の恐ろしさは誰よりも理解しているつもりです」
「そうね...。わかった」
「はい。では、失礼します」
レイコ。
かつて(有)代行で現社長の西条の恋人であったエージェントであり伝説のS女。
理名はこの裏社会の隅々までをレイコに教わった。
そして入社当初の荒んだ理名に光を与えてくれたのもレイコだった。
理名はレイコからあらゆる技を盗むだけでなく、考え方や価値観を学んだ。
女として大事なことは?
人生において大切にすべきことは?
時には愛情とは何かさえも、レイコは理名に教えた。
複雑な家庭に育ち、複雑な友情を育み、複雑な恋人に翻弄された理名は、レイコに出会うまで心の底から笑ったことがなかった。
そんな理名に笑顔を与えた女、それがレイコだった。
だが……。
ある日大きな依頼が㈲代行に入る。
ターゲットである組織は複数人に渡り、理名はある女を手始めに拉致監禁した。
『ターゲットを精神破壊せよ』というミッションだったが理名はどうしてもターゲットグループの下っ端であるその女が、人間として悪には思えず、その女を懲らしめるだけ懲らしめて帰らせてしまった。
理名の前で大声で泣き叫んだその女。
痛みと恐怖で号泣こそしてはいたものの、完全に精神は破壊されてはおらず、その女は体力の回復と伴に復讐を開始した。
後にそのターゲットグループはその女が掴んでいた情報を基に、理名とその依頼の為に動いていたレイコと里緒に的を絞った。
運の悪いことに最初にグループに見つかったのはレイコであり、レイコは拉致され、何人もの男達の慰み者として弄ばれた。
レイコの拉致を知った社長の西条は、全ての依頼を取り止め、全エージェントをターゲットグループの解体に注力させたことでこの戦争に勝利はしたが、レイコはこの一件で西条とは別れ、組織を出て行くことになる。
偶然の産物ではあるが、レイコが拉致された夜は理名の誕生日であり、レイコは理名の自宅にプレゼントを持参した足で拉致されたのだった。
『もしかしたらレイコさんは、私と間違えて拉致されたのかもしれない』
理名はそう考え、ひどく落ち込み、1年間休職し海外で暮らした。
里緒とのバディはこの事が原因で解消されたままだった。
「マスター。これお会計。いつもありがとうね。」
「お代はレイコさんから頂いています。あと、これ。もうすぐ誕生日だからって」
「……。本当に格好良さが歩いてるようなヒトね、あの人は。」
「たしか毎年その香水を貰っていますよね。理名さん。」
「そうね…。毎年……。ふふ。私はこの香水を自分に振りかけてオナニーするのよ」
「理名さんが言うと、冗談に聞こえません。」
「冗談じゃないもの。ご馳走さま。また、来るわね」
「ええ。ありがとうございました」
時計を見ると既に午前1時を過ぎていた。
理名は助手席にレイコからもらった白い紙袋を置いてニコリと笑い、自宅に向かってクルマを走らせる。
都会の中を血管の様に張り巡らせている、高速道路。
理名はその道から見える高層マンションの灯りを見る度に、あの窓の灯りの向こうに人々の生活があり、その人の数だけ絶望と怨みがあるのだと感じていた。
「幸せの数だけ、絶望もある」
理名は世の中は不公平であると同時に、そういう意味では公平なのだと自分に言い聞かせていた。
高速の出口を自宅の最寄りから一つ手前で降りる。
降り口の最初の交差点を右折して、100メートル。
そこには24時間制のジムがある。
理名はいつもこのジムで30分ほど泳いでから帰宅する。
深夜の誰もいないプールは、理名の身体に纏わり付いた邪念と邪気を洗い流してくれるような気がするからだ。
「ふふ。今日も一人か。平日のこんな時間にここに来れるのはこの仕事のおかげかしらね」
スーツのジャケットを脱ぎ、ブラウスのボタンを下から外す。
二つ目のボタンを外したところで、理名はふと思い出し、スマートフォンを取り出す。
『誕生日プレゼントありがとうございました。いつかレイコさんとまた一緒に』
理名はそこまで入力して指を止めた。
一緒に…。
一緒になにをするというのだ。
私はあの人の身体をキズモノにした。
とても、私なんかがかける誘い文句なんかない。
理名はメッセンジャーを閉じて、ジャケットのポケットに戻す。
「家に帰ったら…香水の瓶にまた今年の西暦を書かなくちゃね。私の宝モノだもの」
「へーwアタシはあんたが宝物でぇーすw」
「………ぇ?」
バチバチバチバチ!!
「ぎっ…………!!!」
首元に高電圧のスタンガンを押し付けられ、一瞬で意識が遠のく理名。
理名は咄嗟に奥歯で頬の内側を噛みちぎる。
「うっ……り、里緒……?」
「さすが、すげーなw。相手の顔を確認してから、気を失うとはw」
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